詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
君がくれた抱擁から
ふわりとこぼれた優しい移り香
二人の気持ちを見透かす様に
移り香はとても正直だ
僕からずっと離れようとしない
別れのキスを交わした後なのに
それとも後だからなのだろうか
移り香は鮮烈に漂い続ける
離れたくない
なんてかっこ悪くて言えない代わりに
移り香だけは正直に
僕らの気持ちを物語っている
そして今夜も
辞めた筈の煙草に火を点ける
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
出来ることなら立場を逆転させてみたいの
たまには私の言葉であなたの心を束縛したいの
少し距離を置いてみてあなたがどう出るか見てみたいの
あなたのメールに素っ気ない返事をしてみたいの
会いたい夜を我慢してあなたが私に会いに来るのを待ってみたいの
そんな私を意地悪と言わせてみたいの
でもあなたは大人の余裕で切り返してくれる
どれだけ強く離れたいと想ってみても
離れたいと想う事を本心でないはないと知っているから
だからあなたは悪魔のような優しさで私を魅了するの
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
夢にまで君が出てきて思わず飛び起きた
真夜中にも関わらず声が聞きたくなって
受話器を取り上げダイアル回すけど
どうして最後の一桁を押せないんだ
それは今ごろ君はあいつの腕の中だからかな
許されざる想いでも構わないから
叶わない願いでも構わないから
打ち砕かれる夢でも構わないから
風に消える幻想でも構わないから
君を好きでいさせて欲しいんだ
それを伝えたいだけなのに押せないダイアル
本当は少しでも邪魔したいだけなんだろうけど
本当は君を奪い去りたいだけなんだろうけど
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
気持ちの中の赤信号
踏み込めないアクセル
点滅する青信号
あなたの名前の標識
蹴り込んだブレーキ
君へ向かわないステア
あなたという安定シフト
迷ったウィンカー
振り切ったRPM
加速する君への気持ち
どちらへも戻れないハイウェイ
孤独を示した一方通行
混乱しか残らないワインディング
自分の不安を伝染した愛車
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
何気ない日常の何気ない言葉のやりとりが私の何かを狂わせていくの
束縛されるのは嫌いなのにあなたの言葉一つ一つは私の心の自由を奪うの
傷つけられることに敏感になってる私にあなたは微笑んで癒やしてくれるの
私が一人になりたくないのを知ってるあなたはいつもいつも慰めてくれるの
ずっと一緒にいられたらものすごく幸せなのを解ってくれてるの
そんな私の心の内の想いを間違いなく解ってるのにとぼけるあなたはとても意地悪
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
─壊した絆を再び繋ぎ合わせた二人の奇跡─
君を離したくない
僕の想いと─
あなたを失いたくない
君の想い─
二人の同等の想いが生んだ奇跡
友情を越えて
家族を越えて
恋愛を越えて
男女を越えて
自由も束縛も越えた
二人の想いが生んだ奇跡を
奇跡と呼ばずに何と呼ぼうか
その前に二人が起こした最初の奇跡は
二人が出会えたこと
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
それを知った日の昼
僕は小さなカフェにいた
知らずと滲み出た涙と微笑み
せめて君に「おめでとう」を言いたいけれど
届かない電子メール
もう本当に君は僕から離れてしまったと
それを知った日にもなった
君が結婚すると知った日の昼下がり
届かないおめでとうが泣いた
その光景を
店員サンだけが見届けていた
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
そよいだ朝の薫りを
運ぶ風に身を任せて
覚めない夢の入り口へ
二人足を運ぶよ
少し照れたような君の横顔
みつめて肩を抱いた
この胸に溢れてる想い伝われ
君がいつまでも輝けるように
二人しか解らない夢の世界は
いつもいつまでもそばにあるから
君だけを守ってあげたい
決してあせることのない想い抱いて
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
何も出来なくて
何も出来なくて
何も出来なくて
君が涙に濡れる夜も
何も出来なくて
上司達は
君のくだらない噂を
俺の横で
するだけ
お前達は知らない
俺があの子に惚れてることを
お前達が語るなよ
お前達にあの子の何が解る
くだらない噂が
あの子を傷つけることも
知らないくせに
お前達でさえも
何も出来ない
何も出来ない
何も出来ない
だが
お前達に何かが出来るとしても
して欲しいとは想わない
お前達にして欲しいことは
あの子に触るな
あの子を語るな
俺以外
誰もあの子に近づくな
俺でさえも
何も出来ないで居るのだから
何も出来ないで居るのだから
あの子に何か出来るのは
あの子の涙を止められるのは
あの子を微笑ませることが出来るのは
落ちつかせることも
肩を抱き寄せることも
一番近くで何か出来るのは
あの子が 兄 と慕う
あの男だけ
あの男にも渡したくないのに
敵わないでいる俺
お前もあの子に近づくな
その手を離せよ
何でもない笑顔で話しかけるなよ
だが
見ているだけで
そう思うだけで
何も出来ない俺
ことごとく無力さを感じる
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
そっとしておいてください
触れられたくない過去があるんです
そっとしておいてください
私はあなた達の玩具ではありません
そっとしておいてください
私は平気な振りをしているだけです
そっとしておいてください
私を壊さないで欲しいのです
そっとしておいてください
独りで居る時間が一番楽なのです
でも…
見捨てないでください
君だけはいつも側にいて欲しいの
見捨てないでください
君だけは味方で居て欲しいの
独りにしないでください
君だけは私に優しくしてくれるの
私のワガママを解ってくれるのは
君だけだから