詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
怖い夢見そうだから
今日は寝ない
ひとりなるのが怖いから
今日はずっと誰かと話する
寂しさばかり感じるから
誰を呼ぶのもあなたの名前
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両手でね
両肘ぎゅっと掴んで
前かがみになって
もともと無い腹筋に目一杯力入れて
思わずこう叫んじゃった
お願いだから僕の前で誰一人苦しまないで
泣きながら続けた言葉たちは
いなくなっちゃうのはもうヤダヨ
おいていかないでよ
ひとりにしないでよ
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イルミネィション
真下に見下ろしたら
天と地との星空が
私を宙に舞わせるの
二人の部屋の鍵を開け
一人であなたを待つ時間
寂しさも募るけれど
楽しみも募るから
部屋からの四角い天地の星空に
私の寂しさを溶け込ませるの
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あなたの声が
私の記憶から薄れていって
補充したいから
寂しくないように
いっぱい会話して
逢えない時間
埋めてくれるくらいに
いっぱい話するの
でもね
どれだけ長い時間
あなたと話しても
足りなくて
長電話も
会えない時間に比べたら
ほんの一瞬
逢いにきて
て言ったら
あなたは飛んできてくれるかな
逢えない時間
寂しい心
満たしてくれるかな
声にならない私の声
聴こえるかな
電話越しでも
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手首の傷
まだ消えない
消えないで
癒えなくていいから
残っていて
歪んだ愛情の
正しい証拠
二人でつけた
愚かな傷跡
一生消えない傷で
消さない傷の
消したくない傷
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街には気の早いアヴェ・マリアが流れてて
ほんの少し前まで暖かく
まだ秋が負けないように頑張っているのに
港には光に溢れた
青色のツリーがあった
その前に座って ただ 何をするわけでもなく
あなたの声が聴こえたかのように
やっぱり声が聴きたくて
ツリーの周りを目を閉じて一回り
もし この場に貴方がいたら
何て言うのかしら
何をしてくれるのかしら
そっと目を閉じて
キスをせがむように
爪先立ち
青色の影だけは
私の影にキスをくれるのに
私は一人で空回り
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果報は寝て待て
そんな言葉当てにしていたような
してないような
足りなかった最後の一欠片
君をずっと待ってた
決心してくれてありがとう
心からありがとう
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僕が居る時間は
想い出から動いていないんだ
二人が笑ってた時間も
愛しあった時間さえも
無駄に想い出さないように
思い浮かべないように
夢からも消し去って
もう一度二人始めた時に
あの日の続きから再会するように
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秋の砂浜は
もう冬の風が走って
砂浜踏みしめる音一つ
一人歩きが余計に寒さを感じさせるけれど
暖かいミルクティの缶を握り締めて
ただただずっとずうっと
月の無い星空見上げて
波の向こうの君の最後の笑顔
想い出してみる