冬が返ってきたような寒い朝。着ることもなくなっていた上着を羽織って窓辺に佇む。そよぐ庭の木の葉。なびく土手の草。強くて冷たい風が駆け抜けていく。目を落とせば片隅に綿毛になったアネモネたち。温かくして旅支度。「また来年。良い旅を!」。
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