詩人:中村真生子 | [投票][得票][編集] |
山道をうねうねと車で上がり
急な石段を歩いて登る。
拝殿のガラス戸を開けると
小さな鳥居があり
その向こうは山になっている。
この神社は
山そのものがご神体なのである。
古代の人は
神様は山の上に住んでいると
考えていたという。
そして死ぬと魂は
山の上の神のもとへ行くのだと。
一方、宍道湖には
南北にある
四つの山を結ぶ線上の湖底に
石の鳥居が沈んでいると伝えられている。
その昔
地上より高いところも低いところも
神の領域だったに違いない。
それは
きっと今も変わらない。
ただ私たちが忘れているだけで。
あるいは勘違いをしているだけで。