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中村真生子の部屋


[13] 冬の窓辺
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]

窓の結露を

人差し指でこすれば

窓辺の景色は

思い出のように滲み

せんなきことばかり

心に映る。

雪の夜、足跡、コートの背中…。

それから幾つの冬を

重ねたことだろう。

窓の結露を

人差し指でこすれば

滴がひとすじ。

せんなき涙のように

心に流る。

2012/02/09 (Thu)

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