ホーム > 詩人の部屋 > 中村真生子の部屋 > あの頃の夏休み

中村真生子の部屋


[169] あの頃の夏休み
詩人:中村真生子 [投票][編集]


子どもの頃

夏休みは姉や従姉妹たちと

母の実家で過ごした。

祖母が「連れてくるように」と

言っていたのだという。

女ばかり6人がいつものメンバー。

離れに住んでいる伯母の昔話を聞いたり

玉蜀黍を取りに行って食べ

その皮で人形を作ったり…。

ちょっと苦手だったのは

いつもおかずに出てきたイギス。

海藻を練って固めたもので

味はあまりない。

軒下には決まって松葉ぼたんが

一列に並んで咲いていた。

大人になってイギスがあると

競って姉と食べるようになり

松葉ぼたんも好きな花になった。

そうして時折思い出す

あの頃の夏休みと

祖母や伯母の遠い面影を…。


2012/07/19 (Thu)

前頁] [中村真生子の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -