詩人:中村真生子 | [投票][編集] |
子どもの頃
夏休みは姉や従姉妹たちと
母の実家で過ごした。
祖母が「連れてくるように」と
言っていたのだという。
女ばかり6人がいつものメンバー。
離れに住んでいる伯母の昔話を聞いたり
玉蜀黍を取りに行って食べ
その皮で人形を作ったり…。
ちょっと苦手だったのは
いつもおかずに出てきたイギス。
海藻を練って固めたもので
味はあまりない。
軒下には決まって松葉ぼたんが
一列に並んで咲いていた。
大人になってイギスがあると
競って姉と食べるようになり
松葉ぼたんも好きな花になった。
そうして時折思い出す
あの頃の夏休みと
祖母や伯母の遠い面影を…。