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中村真生子の部屋


[193] 雨に咲く花のごとく
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]


1年ぶりに会った友と

店を出ようとすると

車軸を流すような雨。

雷も鳴っている。

小降りになるのを待つ。

同じように待っている人と

言葉を交わせば

聞きなれないイントネーション。

熊本から旅行で来たのだという。

年の頃も近く

井戸端会議よろしく

扉の前で話が盛り上がる。

遠方に帰る友の時間もあり

三度扉を開けると

やや小降りに。

雨の中を縫って

互いの場所へと向かう。

数十年来の友との

初めて会う人との

つかの間の出会いと別れ。

雨の中に咲く花のごとく…。



2012/08/14 (Tue)

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