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中村真生子の部屋


[243] ウソと紅葉
詩人:中村真生子 [投票][編集]


バスを降り

家へ帰るいつもの道。

「フィーフィーフィー」という

聞きなれない

鳴き声に呼び止められて

見上げれば

色づき始めたケヤキの木。

「フィーフィーフィー」。

声の主が気になって

しばらく佇み

やっと見つけた茶色の鳥。

「フィーフィーフィー」。

元気いっぱいに口笛吹いて

秋の陽気を

楽しんでいるようなウソの声。

誰よりも最初に

ケヤキが色づき始めたことを

教えてくれた鳥。


2012/10/05 (Fri)

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