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中村真生子の部屋


[4] 嘆きの海
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]

冬の海よ

なぜそんなに嘆くのだ。

白しぶきを天まであげて。

眩い光に満ちた

春が愛しいのか。

爽やかな風が走る

夏が愛しいのか。

思い出が静かにこだます

秋が愛しいのか。

冬の海よ

なぜそんなに嘆くのだ。

白しぶきを天まであげて。

いいえ、春が愛しいわけではあません。

いいえ、夏が愛しいわけではあません。

いいえ、秋が愛しいわけではあません。

こうして嘆かざるを得ない

冬が愛しいくてたまらないのです。

2012/02/02 (Thu)

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