詩人:中村真生子 | [投票][編集] |
海辺でブランコをこいでいた。
上にスイングすると真っ青な空が広がり
下にスイングすると澄んだ海が広がり
美しい景色に
この上ない幸せを感じた。
それからブランコをおりて海に入り
しただめ(小さな巻貝)を取った。
イギリスの海辺なのに
「なんだ、日本の海辺と
変わらないじゃないか」と思いながら。
そんな夢を見た。
夢に出てきたあの場所は
海辺にブランコなどはなかったが
まぎれもなく
夏になると毎日のように遊んだ
故郷の石浜だった。
空は青く、海はどこまでも澄み
子どもの声で賑わっていた夏の遊び場の…。
海辺でブランコをこいでいた。
上にスイングすると真っ青な空が広がり
下にスイングすると澄んだ海が広がり
美しい景色に
この上ない幸せを感じた。
あの時、確かに幸せだったのだ。
幸せとは何かということなど
考える必要もないほどに…。