その色に惹かれて植えたスミレが今年も紫色の花をほころばせる。愛してやまない大地を見つめるように…。そして焦がれてやまない空をのぞくように…。ほんの少しうつむき加減に…。小さな小さな花だけどどうしてしゃがんで見ないでいられようか。その匂うようなまなざしを。
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