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康介の部屋


[84] 二十二年
詩人:康介 [投票][編集]

二十二年という長い月日

あなたはたくさん苦しんだ


風呂に入るのもはばかられ

毎日 油のような薬をぬったくり

服はすぐ血まみれ

顔色も悪く

床に皮膚が剥がれ落ち

あなたは毎晩呻き声をあげる


わたしはあなたに何もしてあげられなかった

あなたはわたしに

苦しみを分かちあうことも

あなたの前で泣くことも

許してはくれなかった


でも あなたはつよかった

この二十二年 生きるだけでも大変だったでしょう

あなたはもうわたしの元にはおらず

社会の中に飛び出してしまった

そのぼろぼろの体で 必死に 必死に闘っている

わたしにはその背中を見守ることしかできないのです

2006/05/30 (Tue)

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