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黒神仁の部屋


[72] 大人
詩人:黒神仁 [投票][編集]

誰も成し遂げられないものを
成し遂げようと夢見たあの日。

その夢はどうやら私には少しばかり
大きかったらしく私は
その夢に見合った人間になろうと
ただひたすらに駆けていた。

そしてある日奴は語りかけた。
「君はどうした?どうして君の瞳はそんなに冷たい色なのだ?」

ああ。なるほど。私はどうやら最もなりたくなかった『大人』とやらになっているらしい。
ああ。なるほど。こうやって私は私を失い大人になるのか。

あんなに恐れていたのに。
あんなに嫌っていたのに。

そう言われた私は笑う事しか出来ない。

私はまた夢をこの手に抱きたい。

2006/05/03 (Wed)

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