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胡桃(くるみ)の部屋  〜 投稿順表示 〜


[11] 夢追人
詩人:胡桃(くるみ) [投票][編集]

いつだって
そういつだって
君の目は遠くを見てる

いつか叶える
叶えたい夢だけを
その目に映している

気付いてよ
早く気付いて
あいつが限界なことに

君の夢のために
夢を追う君のために
朝も昼も夜も働いて

気付いてよ
ねぇ気付いてないの?
あいつはあんなに痩せたのに

君の目は夢しか映さない
綺麗な夢だけしか
その目には映らないね

穢無い夢追人よ
さようなら
僕とあいつは今を見て生きるよ

さようなら

2007/02/20 (Tue)

[12] 聖夜
詩人:胡桃(くるみ) [投票][編集]

聖なる夜に旅人は
寂れた教会へ行きました

疲れた顔の神父がひとり
祈りを捧げておりました

旅人は神父に近付くと
鋭い刃物を押し当てた

神父はすっかり怯え
涙を流して命乞い

そんな神父の腕の中
娘がひとりおりました

娘に刃物を向けたらば
少しも怯えず可愛く笑う

娘はめくらの可愛いこ
疲れた神父の可愛いこ

鋭い刃物で娘の目玉
えぐり出したる旅人は

不思議なことに旅人の
刃物は紅くならなくて

見ればめくらの可愛いこ
大きく目開きぱちくりと

可愛い声で笑っている
見える見えると喜んで

気付けば旅人は姿もなく
神父は夢かと疑った

けれど娘の声だけが
夢でないこと告げていた

2007/02/27 (Tue)

[13] 
詩人:胡桃(くるみ) [投票][編集]

夢の中で奏でた音色は
目覚めと共に消えていき

夢の中で紡いだ言葉は
目覚めと共に消えていく

目覚めたことを呪いながらも
諦め忘れていく

2007/02/28 (Wed)

[14] 無題
詩人:胡桃(くるみ) [投票][編集]

あなたにとっては
落ちていた石を拾ってみた
ただそれだけのことで

だから、そう
簡単に投げ捨てられても
覚悟、していたからいいの

ひとときの温もりを
心地よさをくれた、あなたのその、手を
さいごにもいちど、握らせて

2007/03/20 (Tue)

[15] 無題
詩人:胡桃(くるみ) [投票][編集]

暗い暗い水底で
薄紅色の貝殻に座って
私はただ
生きる

2007/03/20 (Tue)

[16] no title
詩人:胡桃(くるみ) [投票][編集]

消えてゆく
消えてゆく
小さな空色の破片は
音もたてずに
ただ消えてゆく

覗き込めばいつも
いつも綺麗な空色のまま
私を安らげてくれた
空色の破片

それはびぃだまより小さくて
私の声より大きな破片

消えてゆく
消えてゆくのね
ただそれを見ながら
私はただ見ていながら

見れなくなることを恐れ
ぽろぽろと、泣くだけ

2007/06/07 (Thu)
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