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梅宮 蛍の部屋  〜 投稿順表示 〜


[51] アンチカウンセリング
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

閑かな夜だった
詐欺師が一人やってきて
僕のお腹を裂いてしまった
痛みに向かうトンネルは
とても長くて光も無い
四方から聞こえる低い唸りは
反響しあって頭蓋を埋める
詐欺師の姿はとうに無く
穏やかな夜は壊れてしまった
トンネルの外には朝がある
痛みに満ちた陽の光
それでも僕は
夜の中にいたかった
いたかったんだ

2025/10/07 (Tue)

[52] 待つ
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雪 しんしんと
積もりて何を秘すべきか
赤紫の指先
吐きかける白
街灯の下 舞う
塵の如く
帰り待つ母
犬の遠吠え
雪 降り止まず
星 絶えて久しく
月は何も見ず
息子 帰らず
今日も帰らず

2025/10/09 (Thu)

[53] 循環
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

さながらそれは大樹のようで
あるいはそれは昆虫の抜け落ちた羽根のようで
ぼくらはきっと 同じところをぐるぐると
ぐるぐると めぐっている

循環
水も大気も生命も
流れて消えて また生まれる

誰かの手の中で
きっとめぐらされて 生きている

根が水を吸って葉が拡散する
取り残された羽は大地に埋もれて誰かの羽になる

めぐる

それを君は何と呼ぶ

2026/01/01 (Thu)

[54] 流転
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

――流転する
しじまは喧騒に

――流転する
平和ボケした連中が徴兵されていく

――流転する
騒乱は沈黙へ

――流転する
闘争は制圧された

――流転する
未来は過去を

――流転する
学ばざりしは阿呆の所業

――流転する
所詮この世は馬鹿ばかり

――流転する
私もあなたも皆馬鹿

2026/01/03 (Sat)

[55] カラタチ
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窓の向こうにカラタチの枝が揺れている
葉は茶色く痩せて
ほうぼう禿げていて
「きっとあの木はもう実をつけないね」
母が何気なくこぼした声が
寂しそうで
萎んで皺が寄った手が
どうしてか 鮮烈に見えて
ふと視線を移すと
カラタチの向こうに空が広がっていた
青い 青い空が
遥か彼方へ 広がっていた

2026/02/01 (Sun)

[56] あいうえお作文 にんげん模様
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

あめが ふりました
 ざあざあざあ
いしが はいました
 にょろにょろにょろ
うそをつきました

え どっちが?


おしまい

2026/02/02 (Mon)

[57] 寒夜にうたを
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

雪が降る
風が吹く
頬を突き刺す冷たさは
耳まで赤く染め上げて
雪が降る
風が止む
雪片がふうわり
目の前を ほら
雪が止む
星が出る

あら この匂い

そうね 今日は鍋にしよう

2026/02/04 (Wed)

[58] アディオス ヒーロー
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

両足を突っ張って
凛と立ち
報われない世界を睨みつける
君が好きだった

自己犠牲を美徳にしない
そんな君が

両足で踏ん張って
背を伸ばし
押し寄せる波に抗う
姿が好きだった

どうにもならい と
嘆く声を
無視したい君は
だけど結局気になって
気がつくと
いつも走り回ってた
誰かのために

アディオス ヒーロー
もう休んでもいい
今度は君が救われる番

アディオス ヒーロー
疲れただろう?
さあ ここらで一息つこう

アディオス ヒーロー
もう休んでもいい
今度は僕が救う番

アディオス ヒーロー
疲れただろう?
今度は僕が君を救う番

2026/02/05 (Thu)
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