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梅宮 蛍の部屋  〜 新着順表示 〜


[13] 呟きの果て
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

無造作に垂れ流される情報に脳がやられる
安易に解き放った言葉は宙を舞って忘却される
悪意のない毒が私を蝕む
右手が腐り落ちてシミになる
指先がシナプスを止め
灼ける陽に脊髄が呻き
また一つ 泥土に沈んだ



その 果て

2019/06/21 (Fri)

[12] 街角に佇むように
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繊細な花がそこにある
緻密な歌が流れる街
其処此処にあふれる光は
僅かに影を残して 多くを照らす

例えばあなたが悲嘆にくれる時
その影はそっと寄り添うでしょう
例えばあなたが憤りに埋もれそうになった時に
踏み締めた足の下に生まれた小さな影法師のように

そして
笑い 泣き 怒り
そうして楽しむあなたの生が
僅かに影を残して また誰かを照らす

咲く 繊細な花
輝く それは  あなた

2020/03/05 (Thu)

[11] 
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昇る煙がワンルームの部屋を流れて換気口から逃げていく
生まれる煙と 出ていく煙と
その違いはどこにある
書き出す文字と 読み込む文字と
その違いは

2020/11/30 (Mon)

[10] 罪はどこにあったのか
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ただ貴女が好きだった
ただそれだけだった
気持ちを形にしなかったことを責められるなら
形のないものを見ようとしなかったその目も責めさせてほしい
待ちきれなかった貴女を責める事が出来るなら
迎えに行かなかった僕も責められるべきなのだろう

ただ貴女が好きだった
ただそれだけだった
そこに罪がある事を知るには
僕は『人』を知らなさ過ぎた

2019/06/16 (Sun)

[9] 
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

歩き出す早春に光を見る
希望と共に抱いたのは果てのない夢だった
落とし込んだ影がついて来るものだとは露程も思っていなかった
漫然と歩く足跡に咲く花は無い
種を蒔き忘れたと気付いた時には最果てが目に見えていた
どこまで行っても道は続く
限りある資源を踏みつぶして舗装した道は無限で
限りなく流れる時間は寿命に押し負ける
歩き出す早春に夢を見る

夢はただの夢だった

2019/06/16 (Sun)

[8] 歓待
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夜のわななきに蹄鳴る
駆る痩躯はまだ知らず
きみの名を まだ聞かず
今は凍んだ風に白を吐くのみ

とうさま かあさま あにさま
どうかあの子をお守りください

朝のいななきに安堵する
夢よ見よ
きみの名を呼べる歓びを

2019/06/19 (Wed)

[7] 
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陳腐な芸達者
君が付けたあだ名
と言うより悪口だよね?って笑う僕に
ちゃんと褒めてるよって笑うから
まぁいいかって
思って僕は
今日も芸を披露するよ

2019/03/08 (Fri)

[6] 桃花源
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 桃の花が ひとひら 舞い降りる
 ふたひら みひら その髪に
 よひら いつひら その肩に
 むひら ななひら はらりと触れて
 これはゆめ あなたの夢の中
 花びらに あなたの笑顔が埋まる

「何か面白い事でもありましたか?」
「いいや」
 たずねる私にあなたはわらう 私もわらう
「おかしな人ですね」

 これはゆめ ゆめのなか あなたの夢の中
 私はわらう あなたもわらう
 目が覚めたとき
 あなたは覚えてくれているでしょうか
 あなたと笑う 私の顔を

2024/09/13 (Fri)

[5] かもめ
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遠鳴りの海に風が鳴く
ヒロイックな君 術無く立ち尽くす
夜毎日毎見る残夢
悔恨の雫が胸に差す
明日に生きる雛鳥
過去に縋る老い鳥
折れた翼 飛べない庭鳥
遠鳴りの海に風が鳴く
鴎が日に映え 一声

2019/01/05 (Sat)

[4] 夢うつつ
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私の指があなたの手に触れる
ここはベッドの中
寝息が鼻先にかかる距離であなたは寝ている
私も微睡みの中
体を繋いだあと 二人は違う夢を見る
肩が寂しい
私の指があなたの手に触れている
あなたの手はあなたの横にある

2018/11/06 (Tue)
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