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梅宮 蛍の部屋


[47] 酷暑
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

冷房の風が
私の肌を灼く
暑い日に
寒さで凍える私たちは
寒い日に
暖房の効いた部屋でアイスクリームを食べる
南極の氷が溶けていると
テレビが言う
北極では白熊が数を減らしているらしい
この異常な気温は
誰のせいかと問われても
私たちは私たちの命のために
エアコンを捨てることなどできない
せいぜいが
太陽のせいだと宣って
あるいは
それは
自虐だろうと嘯いて
ときには
もはや
自業自得と悲しんで
こころに吹く
風の出口に
蓋をして
冷房の下
肌を刺されながら
熱い珈琲を飲んでいる

2025/08/17 (Sun)

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