詩人:月詠 | [投票][編集] |
伸ばし過ぎた赤い爪
其処から流れたものは
如何って事の無い私の血
拭き取らないで
手当てしないで
貴方じゃこの傷を
埋められない
涙の枯れたお人形に
優しい口付けをして
愛を確かめさせて下さい
私の心の中で埋もれた
拙い優しさをどうか
そのお人形に隠して下さい
千切れた血肉を掻き集め
適当に縫い合わせるの
如何せこんなのただのお遊び
邪魔しないで
誰も呼ばないで
ずっとこの快楽を
味わっていたい
狂って笑ったお人形を
朽ちた木に吊して
自殺をさせてみました
飛び出た目玉は青いガラス玉
だらりと下がる白い手首が
とても綺麗でした
光を帯びた蒼い眸は赤くなる
血のようなガラス玉を
優しく拾い上げ
飴玉入れの中に入れました
涙の枯れたお人形に
優しい口付けをして
愛を確かめさせて下さい
私の心の中で埋もれた
拙い優しさをどうか
そのお人形に隠して下さい
私はそのお人形を強く抱きながら
深い眠りに落ちていった
深く深い奈落の底へ