ホーム > 詩人の部屋 > 万葉の部屋 > 小指の絆創膏

万葉の部屋


[3] 小指の絆創膏
詩人:万葉 [投票][編集]


あまりにも
あなたは遠く

糸は

ぎりぎりまで
伸びきっていた

小指は
締め付けられ

赤く
血がにじむ

糸は
血に染まり

時間とともに
黒ずんでいく


もう
赤くないよ


私は一歩だけ
後ろに下がり

糸を
引きちぎった


少しの
痛みと解放感

絆創膏で隠した
赤い傷跡と

少しの後悔


2007/03/25 (Sun)

前頁] [万葉の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -