身体から心が離れても鱗のような腕からあたしが裂けて叫び出ようとも普通以上に普通を生きて、愛するがままに愛されて誰よりも前を向くあたしに気づく人はいない。それがあたしの望みであり、絶望でもあり、鎖でもある。気づいてほしいなんて一欠片も思っていないから、察してなんてたとえ死があたしを選んでも欲していないから、ただ、独り、あたしというあたしを迎えたい。あたしだけが私を愛してる。
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