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如月。の部屋


[282] ほんの少し
詩人:如月。 [投票][編集]

 

向こう岸

彼女と 彼女

手を振って


包帯で目隠ししたまま

君の声だけ聴こえて

さざ波 時折 消す


そしてまた

別の声

しばらくして

さざ波のよな音

掻き消して

違う声

君なんだ



波とたわむれるよな

明るい心となった

彼女の声


包帯 ほどけた途端

まぶしくて

光の波は

その物語を一瞬のよに

変えた


気づくと知らぬ景色のなか

てくてく歩む


声がする

もうこの世界から居なくなった彼女の

柔らかな



泣く事さえも許されなかったような

時過ぎて



君たちの 姿 再びあらわれた

あの頃とは別の姿で

あの頃と 似た声で


せつなくなって

ほんの少し涙ぐんだ





2012/11/21 (Wed)

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