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如月。の部屋


[372] 人間は簡単に忘却列車に乗り
詩人:如月。 [投票][編集]

季節の中 庭は 旅するように

ずっとその場に 存在すると

ずっと傍らに居られると

年老いた あの人は

当たり前のよに 草をむしり手入れしていたのです
庭の季節のアトリエを

あの震災まで

自分の庭に入れない区域や

季節を迎えた庭は
鉢さえ流され跡形もなく

前日まで
当たり前のよに 過ごしていた

僕たちにも そんな存在の
庭が在るのでしょうか

在ったのでしょうか

当たり前だった

酸素みたく想い

当然のよに巡りやって来た 四季折々

夢で見ました

地震で波のよに揺れた庭

ぼこぼこ変わらせた土

元の形は無く

その夢を見た二日後

東日本大震災は発生した

あの 庭で笑っていた 小さな子が 居ません



人間は 簡単に 時の忘却列車に乗り

もう
忘れてる

また今から偽善者と呼ばれに行きます


先生ごめんなさい
体調に気をつけ 加減しながら進みますから

僕の行動を許して下さい



2013/09/10 (Tue)

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