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如月。の部屋


[433] ユーミン流れて めを覚ます
詩人:如月。 [投票][編集]

僕は もしかして
海亀を眺めてる
帰還し損なった
兵隊さんのよに

泳ぐ海亀 眺めてる

背の向こう
あたたかな食卓
急須に季節の茶
皿と茶碗とお箸

湯気の薫り

賑やかな
ささなかな雰囲気


あなたの小さな文明に
不思議な夜の
とばり
夜は起きていて
僕たちを
起こしたり
眠らせたり

そこで夢を見る
時に人間である事さえ
忘れて

風そよいで

赤毛のアンのよな
旅トランクには
少なき夢の荷を

そこから

遠く離れたエリアで

海亀 眺めている
帰還し損なった
兵隊さん

空は同じ雲

星を

海亀を追いかけたら

戻れそうで
戻れない

爆撃みたいな時の音
スタンリー キューブリックの映画みたいな
そんな時間
短に廻り続けて

足で蹴り壊した 時の扉には

また扉 また扉と

社会は扉を 扉で誤魔化し

非常口は

いつもの入り口


帰還兵のよな君を

僕を迎えに行く物語

新たな文明のよな


ユーミン流れて めを覚ます


2013/09/29 (Sun)

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