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如月。の部屋


[507] 原発的な家庭
詩人:如月。 [投票][編集]


赤い髪のまだ小さな
あのこの
金髪のママは

焼いたケーキのなか

あのこを生んだママの靴を入れ焼いた

さあ、あなたを生んだ
赤い髪のママの靴入りケーキよ

美味しいはずよ

育ての母は その子にそう伝えながら

あなた 幸せでしょう?

幸せだと言いなさいと連呼し

麻薬を吸い続けていた

誰も止める者はいなかった

あの子のパパがママに勧めた物

赤い髪の あの子は
怯えながら暮らしていた

学校では暗過ぎると
虐めを受けていた

家に帰ると
育ての母が

いきなり
シアワセだと言いなさい!
と帰ったばかりの
あの子に 重い物を投げつけ
恐がる あの子の姿見て
あの女と似た
赤い髪見ると
むしずが走るんだよと
高ら笑い出す

また吸い込んでいる姿

割れた破片 散乱したままの部屋


まだ小さなあの子は
電話をかけ
始めて通報した

2013/11/16 (Sat)

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