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rokiの部屋


[2] キミがくれた紅茶
詩人:roki [投票][得票][編集]

君は今どこにいる?
夜の散歩道で一人
横を走る車を眺めて
力なく歩く

ゆっくり歩道橋を上がる
国道の真上で立ち止まる
空を見上げて見ても
星は一つとして光らない

想い1通のメールに託し
近すぎる遠いキミに送る

寂れた踏切に見入って
僕は歩道橋から下りる
あの公園まであと5分
一歩ずつがいちいち重く
心臓弾け飛びそう

2月の空気は痛く
僕の肌を鋭く刺す
かじかむ手に息を吹き掛け
冷たいベンチに座る

いつの間にか雪がちらつき
痛みに思わず低く唸る
凍える両手しまって
ポケットで強く握る

メールの返事はないけど
僕は待ち続けるよ

冷たさに無情を感じ
悲しさと虚しさで
僕は泣き出してしまう
もう僕にチャンスはない
残されていないのか?

わかっていても でも
諦められない……キミを

温かいキミの笑顔
瞼を閉じれば蘇る
優しいキミは呆れた顔して
そこに立っているんだ
缶の紅茶を両手に

渡された紅茶を口にした
体がみるみる溶け出す
でもなぜか涙流して
泣いた僕をそっと撫でる手
大切なキミの温もり

もう二度となくさない
ずっと側にいよう

2007/05/15 (Tue)

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