詩人:ナオト | [投票][編集] |
まだ23時
丸みある灯り
眠る空き缶
柔らかい氷
暇そうなグラス
濡れた布
青い月夜
白いレースカーテン
今夜だけは違う味
今夜だけは違う味
絡まる髪
絡まる髪
無口なテレビ
白いテーブル
ザラつく灰皿
揃った四足
四角い棚
割れるゴミ袋
小さな冷蔵庫
大きな酔い
今夜だけは見慣れぬ部屋
今夜だけは見慣れぬ部屋
絡まる感情
絡まる感情
23時30分
固まったアスファルト
空っぽの夜道
空っぽの心
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もし、あなたがもし
僕を残して逝ってしまったら
僕はあなたの白い顔を
数センチの距離で見つめながら
一緒になろうと思います
薄れてく意識の中で
もう一度あなたを愛してみたいんです
もし、あなたがもし
僕を残して逝ってしまったら
もうこんな世界には
数億円手にしたとしても
意味がないんです
遠ざかるあの日々は
もう二度と戻ることはないんです
会いに行くよ
ただそれは絵に描いたような
綺麗な糸じゃないけど
思いっきり泣いてみるのも
あなたのためかもしれないね
あなたの葬式で
好きだったあの曲を流せばいいのだろうかとか
そんな事に悩むより
二人一緒に
遺影並べて眠りたいんです
いつも僕は遅刻するね
いつもあなたを待たせるね
でもすぐに行くから
また会ったら二人一緒に
そうだな、おいしいプリンでも食べよう
会いに行くよ
ただそれは絵に描いたような
綺麗な糸じゃないけど
思いっきり泣いてみるのも
あなたのためかもしれないね
ごめんね
もうすぐ着くからね
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11月と12月
僕の一番好きな季節
茶色いコートと
深いブーツで包んで
午後六時の街にいる
静かに流れる夕空と
ピンと張った冷たい空気
手袋の下の荒れた指先で
トワイライトの跡をなぞる
群青と漆黒の狭間
僕の一番好きな時間
甘いホットティと
鈴虫の唄に包まれて
帰路に溢れる街にいる
鮮やかになびく君の髪と
どこかから聴こえるクリスマスソング
すっかり暗くなった裏道で
鼻をすすりながらペダルをこぐ
小腹満たしにファミレスで
フライドポテトとトマトケチャップ
窓ガラスの向こうの季節は
僕が望んだ世界
あの頃からの全ての冬
タイトな冷たさと伸びた影
あの頃からの全ての冬
丸い街灯と低い夜空
僕はこの季節に恋してる
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眩しいほどのライトと
割れんばかりの歓声
腕と背中にマリアとスカルの
胸には愛する妻と娘の名の カラフルなタトゥー
ピエロみたいなメイクして
ステージをロックする
さぁ ショーを始めよう
骨の髄までロックしよう
拳突き上げて 揺れて 叫んで
一緒に歌うんだ
反骨のパンク 攻撃のヒップホップ
ストリートにゃミクスチャー
時代やスタイルが変わっても
ロックの炎を消す事は不可能なんだよ
さぁ ショーを始めよう
世界の果てまでロックしよう
拳突き上げて 揺れて 叫んで
一緒に歌うんだ
眩しいほどのライトと
割れんばかりの歓声
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最後の日
最後の夜
最後の後悔
その日世界は気付くだろう
地球は感謝と恨みとに割れる
その日彼らは気付くだろう
全ての金は力を失う
その日俺達は気付くだろう
全ての不要部分が削られる
その日は近いうち訪れるだろう
世界がジ・エンドを迎える
戦争が愚かだと気付く
全て間違っていたと
一番最後に残ったのは
流れる命のノイズ
全ての地位
全ての名誉
全ての苦労
その日チケットは燃えるだろう
地球は感謝と恨みに割れる
世界がジ・エンドを迎える
戦争が愚かだと気付く
全て間違っていたと
一番最後に残ったのは
流れる命のノイズ
世界がジ・エンドを迎える(やがて音は大きくなる)
戦争が愚かだと気付く(恐怖と怒りを巻き込んで)
全て間違っていたと(まるで死のスノーマン)
一番最後に残ったのは(そして出来上がったのは)
流れる命のノイズ(大いなる終焉のノイズ)
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毎晩見るあなたの姿
毎晩聞くあなたの声
微笑む横顔に惚れたんだ
もっとよく知りたい
一つだけわかるのは
あなたは最高のエレベーター・ガール
でも
誰も僕を見ない
誰も僕と話さない
誰か助けて 今自分がどこに立っているのか わからない
誰かに触れたい
でも出来ないんだ
だって僕もう 世界と別れたから
毎晩あなたと会うけど
そろそろ名前くらい知りたいよ
手袋してるから
指輪しているかもわからないし
一つだけわかるのは
あなたは最高のエレベーター・ガール
でも
誰も僕を見ない
誰も僕と話さない
誰か助けて 今自分がどこに立っているのか わからない
誰かを感じたい
でも出来ないんだ
だって僕もう 世界と別れたから
あの日 あの夜
僕が冷静だったなら
僕の車はピカピカだったのに
あの日 あの夜
僕が冷静だったなら
今頃君を食事に誘うのに
誰も僕を見ない
誰も僕と話さない
誰か助けて 今自分がどこに立っているのか わからない
誰かに触れたい
でも出来ないんだ
だって僕もう 世界と別れたから
僕が生きていたら
君を食事に誘うのに
僕が生きていたら…
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ある夜の約束
破り捨てる即
本来なら牢獄
行きだがバレない僕
ドアをノック
奴が出る 「よく
おいでに」と説く
話し出す早速
俺のトーク
奴にゃ猛毒
言うことは酷く
奴の脳に届く
お前の鼓動凄く
感じるぜドクドク
内容はごくごく
普通っぽく
騙す ジョーク
交えるが笑う余地もなく
お前は焦るとにかく
悩む もがく
「契約打切」の文字に汗ダクダク
足ガクガク
サインしろよ早く
もう決まったんだよ全く
だがサインすりゃお前奈落
の底に落ちるがグッドラック
俺にゃ全く
関係ねぇから楽
次の瞬間お前泣く
「あなたはまさに悪
私には世話を焼く
女房子供が」とパパっぽく
言ってもムダさ 悪く
思うなよ 重役
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俺の朝は
1杯のコーヒーと二枚のトーストで始まる
俺の夜は
1杯のワインと大好きな音楽で終わる
毎日の繰り返し 家に帰れば
ビートが俺を休めた
完璧な人生
全てうまくいっていた
君が現れなければ
全て思い通りだった
君に恋しなければ
これは俺のための復讐
ある夜 君は言った「あなたがほしいの」
翌週 君は言った「リングがほしいの」
翌月 君は言った「車がほしいの」
急なダイエットはよくないよって 俺の財布に警告する
完璧な罠
全てうまくいっていた
君が現れなければ
全て思い通りだった
君に恋しなければ
これは俺のための復讐
夜の街 一月振りの君の姿
隣には整ったヒゲの男
これは俺のための復讐
これは君のための復讐…
全てうまくいっていた
君が現れなければ
全て思い通りだった
君に恋しなければ
これは俺のための復讐
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時計は俺の見ていない間に進む
一方的に語りかけるTVにうなずき
俺は今夜
独りで眠る
お前の心に俺がいないなら
俺は孤独に心を宿す
お前の瞳に俺がいないなら
俺は恨みを瞳に写す
光は俺のいない所に輝く
昨日の手紙から裏切りの声
未来は俺の消えた後に訪れる
一方的に語りかける偽善者に歯向かい
俺は今夜
独りで闘う
お前の心に俺がいないなら
俺は孤独に心を宿す
お前の瞳に俺がいないなら
俺は恨みを瞳に写す
いいか よく聞け
俺はここにいる
全てのビートを刻み
地球に雨を贈る
お前の見ていない間
俺は高く舞い その地を見下ろす
俺はここにいる
お前の心に俺がいないなら
俺は孤独に心を宿す
お前の瞳に俺がいないなら
俺は恨みを瞳に写す
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俺の親友を紹介するよ
彼の名前は”孤独”
夜空を見上げれば
星の代わりに 彼がいる
俺の乾いた心を潤すわけでもなく
ただ彼は 冷たく笑う
目の前に何か見える
あなたを見ている間だけ
彼はどこかへ消えるんだ
あなたといる間は
まるでホットココアを飲んでるみたい
俺の親友が出て行った
彼の行方は誰もしらない
瞳を開けば
彼の代わりに あなたがいる
俺の乾いた唇を潤して
ただあなたは 優しく笑う
目の前に何か見える
あなたを見ている間だけ
彼はどこかへ消えるんだ
あなたといる間は
まるでホットココアを飲んでるみたい
ある朝目が覚めると
そこにあなたはいなかった
そして彼が帰ってきた
あなたといた間は
まるで薄い雲のように
儚く消えゆく
今夜 俺と彼は
家に帰るバスを待つ
待ち続ける・・・