詩人:ℒisa | [投票][得票][編集] |
もうすぐ夏休みの終わり
この時期になると
みんな慌てて宿題をしてた
7月中にすでに
大変な宿題は片付けてた友達もいた
私はどちらでもなく
自由研究にだけ夢中
ドリルなんかは最後まで
やらなかったし
やらなきゃいけないとも
やりたいとも
思わなかった
枯れたアサガオと
大事な自由研究の宿題を抱えて9月1日に登校
その日は必ず
避難訓練の日でもあった
防災頭巾も持たずに
一人でさっさと帰った
奥田先生は
私のおばあちゃんと
同じくらいの歳だった
粘土を使った授業の日
楽しそうにはしゃぐ同級生の雑音の中
私はひとり
蕎麦の花の絵を
描いていた
「あなたはそれでいいのよ」
奥田先生はいつも
優しく微笑んで
『私』を認めてくれた