詩人:ℒisa | [投票][得票][編集] |
今日弟の断髪式を観た
私の知らない人がたくさん
弟の髪を鋏で切っていく
弟は凛とした態度で一人一人に
お礼を言っていた
お母さんが鋏を入れて
最後におじいちゃんが鋏を入れた
それまで凛としていた弟が
涙を流した
それを観て堪らず私も涙を流した
見慣れないスーツ姿の弟が
みんなの前で言った
「次は第二の人生で横綱を目指します」
立派だと思った
心から尊敬した
心臓弁膜症という病気が
弟の今までの人生の全てを奪った
私はそう思っていたけれど
会場に集まった
私の知らない人たちがみんな
自分の事の様に涙を流すのを観て思った
弟は何も失っていないし
病気は弟から何も奪えないんだって
一生懸命生きる事の大切さ
命の大切さ
頑張るという事の意味
人は人を支え
人は人に支えられているという事
人生はくだらないものなんかじゃないんだって
生きている事には
生きている事自体に意味がある事
それはとても素晴らしい事なんだって
今日全てを私に教えてくれたよ
私もう
中途半端な気持ちで生きるの辞める
死にたいだなんて
もう絶対に言わない
ちゃんと生きる
ちゃんと
生きるよ
ありがとう