ホーム > 詩人の部屋 > ℒisaの部屋 > とある一日

ℒisaの部屋


[1569] とある一日
詩人:ℒisa [投票][得票][編集]

良く黙っていられたね
良く堪えられるね
なんて事を言うもんだから
笑ってやったんですよ
「あまいよ」甘過ぎるよってね
乗り越えて来たもん
背負って来たもん
味わって来た世界の違いを
見せ付けられましてね
弱音一つはけない私を
可愛いとは思わなかっただろうね

あの人の方が
ガタガタ震えるもんだから
いっその事
冷静に冷めきってしまって
一瞬でも
こんな弱々しい人間の肩に
寄り掛かれるんじゃないかと
甘ったれた事を考えた自分が
なんだか哀れにも思えてね



幸福をたくさん受け入れられるという代償に
少しの不幸で耐え切れなくなってしまう人間になるか

たくさんの不幸にも
ちょっとやそっとじゃ動じる事無く
その代償にほんの少しの幸福しか舞い降りない様な運命を生きるか

どちらかを選ぶなら私は後者が良いなぁ
ほんの少しの幸福でも
満たされるなら間違いなく幸福だもの

えぇ 同じ様に思っただろうね

私があの人が震える姿を見て
哀れだと思った様に

涙一つ流さない私を見て
あの人は哀れだと思っただろうね
きっとこんな狂った世界を
都市伝説かなんかでしか有り得ないとあぐらかいてたんだろ

私だってあんな温い世界
月9のワンシーンくらいでしか有り得ないと思ってたもんだから

笑っちゃうよね
見えたものは一緒なのに

2010/01/15 (Fri)

前頁] [ℒisaの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -