詩人:ℒisa | [投票][得票][編集] |
商店街まで出れば
この町にも一丁前に
見よう見まねで作られたような
キャバクラが一軒建った
夜になればチンケなネオン看板が光ってさ
その向かいの道じゃ
アジア系の女が
マッサージの客引きかなんかして
一歩路地を曲がれば未だに
銭湯から石鹸の良い香りがしてきて
桶にタオル抱えたおっさんが
カランカランと下駄鳴らして歩いてる
赤ちょうちんの横
踏切の道
昼間でもたいして人なんか通りゃしない
ガード下には猫じゃらしが我が物顔で生い茂る
毎朝ばあさんが一人
三輪の籠に大きな荷物つっこんで
進んでんのか止まってんのか
分かんないくらいのスピードで漕いでくんだ
酒屋んちのガチャガチャは
中身が15年も前から変わっちゃいないのに
来年には駅前に
大きなショッピングモールが出来るんだってさ
みいんみいんと今年の夏も
ミンミンゼミが良く鳴いてるわ