詩人:ℒisa | [投票][得票][編集] |
枕元に現れた
赤い女は
寝室とリビンクを抜けてキッチンへ
何か怒鳴り散らしながらぐるぐる回っていた
浴室に置かれた黒くて長い女の髪の毛の束
一斉に勢い良く
流れ出した水
風呂場と流し台の蛇口
ソファーでテレビを見ていても
玄関ではずっと
男の声が聞こえていた
疲れきって寝ている私を見下げて
何やら話し込む二人の男
電気を消すと
部屋の隅で棒立ちの男が一点を見つめていた
今でも忘れない
401号室
4階の住人は私だけ
週に一度の金縛り
またあの女の声がする
窓を叩くの
力強くではなく
とても弱くトントントントン
其処は401号室
大通り沿いの窓
内側からの音
目覚めた私の足元に
水死体が二人
声も出さず談笑していた
彼らは
彼女は
私に何を
伝えたかったんだろう