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山崎 登重雄 の部屋


[235] 交流詩C ほたる
詩人:山崎 登重雄 [投票][編集]


彷徨う螢たちよ

あわい明滅を繰り返して
覚束ない飛跡で漂う

ふわふわとゆらゆらと

甘い水に誘われて
オリジナルの光を止めちゃいけない

今は苦い水でも
必ずもっと光ゆく源のこの瞬間を

ちからいっぱい飛ぶんだ


なぁ 螢

ポケットの中の辞書を覗いてごらん
渡・歩たる・穂たる・帆たる…

およそ使わない語群だって今を未来を指してる
絶対に諦めないでおくれ

きっともっとずっと光ってる
君たちの姿をこれからも見せておくれよ

こんなに進んだ世の中ですら
螢の光を解明できてないんだ

稀有のきらめきはムシケラなんかじゃない

甘い水に誘われて
暗闇の中で独りで狩られたりしないで

君たちを見守っている瞳や手のひらを信じてよ


みんな小さくたって光ってるんだぜ

2009/11/29 (Sun)

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