詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
静かな闇 雲間の星
地上のあかりが宙に噛み付いて
夜を許さない
僕は眠らない
僕には礼拝堂だった市役所前の電話ボックス。
君の番号を握りしめて生きながらえていた夏。
真反対の季節になってもここに来てしまう夜。
ため息が吐き出す煙草の煙が滲んでは消える。
そのまま見上げた市役所の壁には君が笑っていた。
リアルな君も映し出された君も君に変わりはない。
僕の行く手にたたずむ月と背中の月。
風が記した雲のラインに星が列んでいる。
君に辿り着くための誘導灯と滑走路。
双子の月 風間の路
無上のひかりが胸に住み着いて
僕を許さない
今も眠れない
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