詩人:山崎 登重雄 | [投票][得票][編集] |
真夜中に
一人歩く私の後ろから
ゆっくりと車でつけてくる
憂鬱になる気持ちを落ち着けるように
タバコに火をつけた途端
ハイビームで急接近
行く手をふさいで
軽のミニバンからゴツイ男が3人も
一人は私の顔を
一人は自転車を
一人は足元を
ライトで照らしながら
品定めしている
『身分証明証は?』
『こんな時間にどちらへ?』
『家はこの近所ですか?』
一度にしゃべるなうっとおしい
イライラで返事に時間がかかる
途端に
『自転車を照合します!』
『手荷物を拝見!』
『お仕事は何をされていますか?』
だから一度にしゃべるな莫迦
あぁ ハタと合点がいった
もうこんな時期なのか
季節の変わり目をこいつらで知るなんて
人事異動の季節ね
赴任してきたのねお巡りさんのニューフェイス
なんとなくこの状況は
つれさられて涙した女の子の
気持がわかる気がする
紙一重なのは
コイツらか
どんだけ妖しいんだ私 の方なのか
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