詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
平然と夜が明けて行く
いつもの眺めが色を取り戻す
朝靄の 藪に鶯 ほうほけほ 寝ぼけ眼で 誰がために鳴く
出始めの鶯が口篭りながら
照れ臭そうに何度も鳴く
仲間がほうほうと相槌を打つ
惚れたかな 惚れたのかもと 繰り返し もじもじ鳴いた 鶯の春
春を告げるのか
恋のお悩み相談か
可笑しなやり取りは続く
春告げる 姿形は 違えども か細き声に 心当たりて
頼りない声に想いは巡り
僕の水面は揺れた
君を探して携帯を開く
胸の辺りをぎゅっと握る
掌の微笑みが次第に滲む
いつもの事さ
いつもの事さと
季節と君をエア・ハグ
鶯を 忘れるように ボブ・ディラン 涙と君を ポケットに戻し
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