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善田 真琴の部屋


[27] 指キツネ
詩人:善田 真琴 [投票][得票][編集]


中学の頃
母からご飯の炊き方を
教えてもらった。

「水はこれくらい」

キツネのカタチを作って
人差し指の第一関節を
ぼくに示した。

教室とか開いて
ご近所の主婦仲間に
偉そうに
料理を教えていたのに
今では、ご飯を炊くのは
現役を退いた
父の役目らしい。


独り暮らしを始めて
随分長くなったけれど、
今のぼくの指で測ると
お粥みたいなご飯に
なってしまう。

母が小さくなったようで
少し寂しくなりました。



ご飯炊く
目安にしてた
指キツネ
親追い越して
すくすく育ち

昔より
母が小さく
見える朝
茄子の浅漬け
お茶漬けにする

2012/03/23 (Fri)

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