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善田 真琴の部屋


[32] 京都・東山物語
詩人:善田 真琴 [投票][得票][編集]


咲く花に
きみの面影
尋ねつつ
漫ろに歩く
哲学の小道

緊張と
不安を共に
分け合って
お喋りをした
名も知らぬ人

乞い願う
袖触れ合うも
他生の縁
募る想いを
抑えかねつつ

境内に
探す姿は
幻の
影さえなくて
独り佇む

早鐘の
胸が高鳴る
南禅寺
見覚えのある
後ろ姿に

偶然の
数を指折り
繋いでは
一度きりと
結んだ縁

定めなく
巡る現世は
風の色
前に何処かで
見かけたような

縁あれば
また逢えるよと
アドレスも
聞かず別れた
花見小路で

春の日に
眠る来世は
花の色
次も何処かで
巡り逢えたら

2012/04/04 (Wed)

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