詩人:まぁぴぃ | [投票][編集] |
傾いたまま止まった砂時計を
人差し指で押してみた
白い砂はすっと動きだして
でも、その時は何も変わらないような気がした
もし、あの時
砂時計を動かさなかったら
今の自分はまったく違っていたのかしら
世界の色も
街の景色も
隣にいる君の名前も
世界に隠れた未来のスイッチは
たった今
君が押した
ケータイのボタ
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かさぶたを剥いちゃいけないのは
あなたとの思い出が溢れだしてしまうから
あの桜色のそよ風
あの向日葵の眩しさ
あの月明かりのベンチ
あの雪空のきらめき
みんなみんな涙といっしょに溢れてしまうから
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帰り道の空気がいつもと違うのは
歩き慣れた道の街灯の色が違うのは
隣に君がいないから
指先だけ出したセーターも
カバンに付けたぬいぐるみも
少し茶色いストレートの髪も
お揃いで買ったミサンガも
心の中には何も変わらないまま残ってるのに
まわりの景色だけがまるで万華鏡
二度と同じ模様は見られないから
だから
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背伸びをした景色は
いつもと違って見えるけど
それをずっと続けるのはつらい
この山を上れば
もっと確かな景色が見えるはず
でも、もう一歩踏み出す力が残ってない
君を引き上げるなんて大それたことは僕には出来ないけれど
君が手をかけ、脚をかけるための石の出っ張りにならなれる気がする
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2分遅れた時計の針を
進めることで世界が変わる
刃こぼれをした言葉のナイフを
研ぎ澄ますことで心をえぐる
大切なものはいつも形が見えなくて
ただそれが持つ温度だけが肌を通してわかるような
今静かに耳を澄ませば
聞こえる音はあなたの思い出
あの日に戻ることは出来ないけれど
溢れた涙が乾く頃には
次
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いらないじゃない
そこに引かれた黒い線は
なにかしらの意味を持つのかしら
その線のために捨てられた命の価値と釣り合うだけの
それだけの意味を持つのかしら
人がその手で描いた落書きは
人の手でしか消せないの