詩人:丸 | [投票][編集] |
魔獣は泣いた
その指から突き出た長い爪を見て
魔獣は泣いた
自分の中で蠢く深い憎しみを知って
魔獣は泣いた
そして人となった
僕は泣いた
昔の感情がまだ胸の中にあるのに気付き
僕は泣いた
涙を明日に残さぬように
僕は泣いた
そして大人になった
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僕の姿は光でしか伝わらず
僕の声は振動でしか伝わらず
触れた手の感触は信号でしか伝えられず
いっぱい込めた思い
君に届く頃には
弱く小さくなって
だからもっと届くように
あなたにだけは伝わるように
僕は言葉を探してる
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人の流れ凍てつく明日
私は空を見上げている
彼は悪魔の施し受けて
私のミギテに印を刻む
思考すれば身体を走り
つぶやけば方向を変え
出し続ければ歩みを始める
いつか大人になる私
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大事な友達ありました
愛する二人がありました
光った画面を見ないまま
時間は一人で走ってく
止まった物から失って
残った物だけ抱き締めた・・・
かわる かわる
世界はかわる
僕らは地球の手と手の中で
とまる とまる
僕の鼓動
小さな花が咲いた
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「テレビばっか見てたって大人になれるんだぜ」
あいつが囁いた・・
不安な悩みを解消しないままでもいつかは勝手になるのだろう
どんな大人に?
胸から突き出た腕を
必死に奥へ押し戻し
僕は今日も机に向かう
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イケナイものは
見てみたい
ダメなものには
手を触れたい
気になったなら
全てを忘れて
そいつをちょっと
開けてみる
周りのみんなに
気付かれぬよう
静かに少し
開けてみる
「せきにん」の鍵を
たたいて壊した
もう後戻りの出来ないパンドラ
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弾む身体にレバーをつけた
大きな大きな塔があった
そいつ目掛けてボディアタック
みにくくゆがんだ鉄の塔
ガラガラガラと崩れて消えた
僕の身体はペラペラになり
手足も心もあやつれない
荒れた大地に伏したまま
レバーをにぎる人を待つ