詩人:空色 | [投票][編集] |
夜空というには、悲しすぎる黒さに
私はため息をひとつついた
あの子は空を眺めてキレイだね、と笑う
同じ空なのに私にはキレイに見えなかった
私もキレイだね、と笑い
そっとため息をついた
黒く見えたのは、私の心も黒く染まっていたからでしょう
とても悲しかったからでしょう
そんなときもあるさ、ともうひとつため息をついた夜でした
詩人:空色 | [投票][編集] |
例えばのはなしをする時の
あなたは危なげで
私は例えばなしが嫌いだった
聞かなくても、試さなくても
私はここにいるのに
あなたの側から逃げないのに
今日もあなたは例えばのはなしをする
甘えた子供のように
詩人:空色 | [投票][編集] |
月があまりに綺麗だったので、私は一人でお酒を飲んだ
少し月が切なく感じたのは
私の心が切ないからでしょうか
カランと氷が音をたてて溶けていった
詩人:空色 | [投票][編集] |
ゆらゆらと月が揺れる夜でした
さよならの代わりに
と、あなたがくれた花が枯れていきます
私の心のようにパリパリになっていく花が悲しくて
見ないようにしていた
危なげな月の光が花を照らし、久しぶりにさよならの代わりをじっくり見つめました
私は恋をしていた
終わってしまったけれど、一生懸命恋をしていた
花は枯れて恋も枯れて
私は危なげに揺れる月を見上げました
あの日言えなかったさよならを言うために