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luaの部屋


[222] ∞蝶∞
詩人:lua [投票][編集]

そこでは蠢いている


春はまだかと
早々と
蛹を食い破って




まぁ、なんとか
あたしは
蝶に
なれたのだけれど

暗い暗い
繭の時期から

空を夢見て
い過ぎたせいか



初めて空を舞った蝶は
落胆してしまった


なぜなら
本当の空は
あんまりにも



…汚れていたから



憎悪や憎しみ
悲しみや嫉妬心



そういうもので
空は汚れすぎて



そして…そのうち
蝶も夢を見なくなって


けれどせめて
自分自身は
汚れぬようにと


そして
真実の空
大好きな本当の夢の空に
強く抱いた夢だけは


これ以上汚れぬようにと




そして
その願いの証として

羽をむしって
空高く散らし

蝶であるあたしは
また
真っ暗な場所で
深く眠った

2006/02/11 (Sat)

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