君に初めて口付けたのは夏の手前の俄雨の後草のにおい運ぶ風と明日から来る夏休みの校舎どこか遠くで梅雨の終りの雷の音が聞こえた気がして耳をすませば君と僕の胸の駆動それとも全て夢きらめく一瞬のときめきを残して君はきまぐれな風のように不意に消え去り僕は初めての秘密を抱いて一人立ち尽くしていた秋君の名前を胸の奥でつぶやいたときこみあげる想いに涙溢れて秘密は永遠に閉じた
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