君の住む故郷ではもう季節が海峡をゆらゆら渡り始める頃僕は都会の電車の中でふと君の懐かしい横顔思いだせなかった。ドアにもたれ人と人との間で踏みつけるのは自分の影ばかり赤い文字のスポーツ新聞の向こう側で誰か ため息をついたもうそろそろ帰ろうと帰らなくちゃいけないと思いはじめていたんだ改札口抜けた処で立ち止まっている僕にだれも気づかない そんな街角
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