詩人:メイ | [投票][編集] |
動きださなきゃ
何も始まらないなんて
知っている
その一歩を
踏み出す力が
もう残っていないんだ
傷を負った身体は
治癒が追いつかないから
傷付く一方で
その傷口から少しずつ
腐食してゆく
願いは
他人の願いの犠牲となり
祈りは
ただの気休めに変わる
だからもう何も
求めないことにしたんだ
可能性を潰すだけの
毎日なら
時が止まればいい
もう何も見たくない
もう何も聞きたくない
もう何も
知りたくないんだ
この身体を
もらってくれ
ならば
痛みすら感じない
この心を
もらってくれ
ならば僕は
無になれるから
詩人:メイ | [投票][編集] |
自分の記憶を
リカバリー出来たら
いいなって
何度も思った
あの日の約束も
いつかの仲直りも
残されたぬくもりも
ぼやけてる面影も
遠くで響く僕を呼ぶ声も
胸が震えたあの瞬間も
最後に聞いたあの言葉も
すべて
オールリセット
リカバリー
ゼロって案外
悪くないってこと
僕は知っている
プラスじゃなければ
マイナスでもなくて
良くもなければ
悪くもない
だけどそれが
出来たなら
僕自体
もういらないのかも
しれないね
詩人:メイ | [投票][編集] |
悲しいときに悲しみ
泣きたいときに泣き
寂しいときに甘え
怒りたいときに怒る
簡単に思えて
今の僕には
難しいものばかり
悲しいときに笑い
泣きたいときに笑い
寂しいときに笑い
怒りたいときに笑う
いつからか
笑うのが得意になった
いつからか
心から笑うのが
下手になった
幼き日の
いつかの僕が
今の僕を見たら
こう言うんだろうな
おにいちゃん
そんなことも
できないの?って
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私は
万人うけのするような
素晴らしい作品を
書きたいとは思わない
誰もが読めば
胸を熱くし涙する
そんな作品を
書きたいとは思わない
たとえ駄作と呼ばれようが
ただ
ほんの一握り
理解し共感し
感動してくれる人が
いるのなら
私はそれでいい
これは
あきらめじゃない願望だ
ひとつひとつの
私らしさ
刻み込んだ
私という存在
失うくらいなら
私はそんなもの
書きたいとは思わない
私は
それでいい
それがいい
詩人:メイ | [投票][編集] |
暖かくやわらかな
陽射しが街を
優しく包み込み
重いコートを脱ぎ捨てた
行き交う人の
足取りは軽く
遠くに聞くは
はしゃぐ幼き子らの声
遅咲きのサクラは
穏やかでゆるやかな
春風に花びらを
香りとともに乗せ
皆に春を告げる
この季節が来るたびに
甦るあの頃の二人
サクラの並木道
花びらのカーペット
渡りながら交わした
若すぎた約束
未来を見据えて語り合った夢物語
あなたも思い出して
いるのでしょうか?
大雨よ降るな荒風よ吹くな
サクラが咲き誇るその間
願わくばもう少しだけ
あの頃の二人を
見させてはくれないか
涙で霞む舞散る花の
その先に
詩人:メイ | [投票][編集] |
肌が白くても
肌が黒くても
ぼくらはいっしょ
みんな同じ
服を着ていても
服を着ていなくても
ぼくらはいっしょ
みんな同じ
頭が良くても悪くても
ぼくらはいっしょ
みんな同じ
大きなおウチに住んでても
ボロボロのおウチでも
ぼくらはいっしょ
みんな同じ
たとえ
手がなくても足がなくても
病気をしていても
目が見えなくても
耳が聞こえないても
声が出なくても
みんな泣いたり怒ったり
笑ったりする
ぼくらはいっしょ
みんな同じ
たくさんのひとと
出会ったり別れたり
だけど
ひとりもいなかったよ
僕と違うひとなんて
いるはずがないんだよ
ぼくらはいっしょ
みんな同じ
『心』をもって
生きてるんだからね
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僕らはたしかに
そこにいた
おばけ川の横
かえるの木を曲がって
小枝の剣で薙ぎ倒した
雑木林を進んだとこ
僕らのひみつきち
あるときは
超合金のロボット
持ち寄って対決ごっこ
あるときは
おもちゃのヘルメットで
ヒーローごっこ
あるときは
走り回って遊び
はしゃぎ疲れてお昼寝
あるときは
耳打ちひそひそ話で
好きなコの言い合いっこ
そんな毎日
生きてくことに
疑問なんかもたず
流れる時間に身を委ね
戸惑うことも
迷うこともなく
汗かきベソかき
飽きれるほど笑って
ただ毎日を過ごした
あの日に埋めた
タイムカプセル
掘り返したら
詰まった夢や希望
取り戻すこと
いまさらだけど
出来るかな
僕らはたしかに
そこにいた
おばけ川の横
かえるの木を曲がって
小枝の剣で薙ぎ倒した
雑木林を進んだとこ
僕らのひみつきち
詩人:メイ | [投票][編集] |
半径2m以上は
離れないで
朝も昼も夜も
四六時中一緒にいたいの
あなたが死ねば
ずっと一緒に
いられるじゃない
どこにも行かず
何も言わずに
あたしのそばに
ずっといて
そしたらあたし
何もいらない
あなたのすべて
あたしのもの
殺したいくらい
愛してる
それとも
ずっとあたしをそばに
おいてくれるなら
あたしがあなたのために
死にましょうか?
詩人:メイ | [投票][編集] |
あたしは何か
罪を犯しただろうか
拒んでもやってくる
必要のない朝
眩しすぎる外界に
俯く昼
暗闇の中
涙に暮れる夜
終わりのない果てのない
この慟哭や孤独感
あたしはただ
あのひとを
一途に愛しただけ
もしこれが
あたしが犯した
何かに対する故の罰だと
いうのなら
あたしはもう
あなたなんて信じない
罪を犯したのも
罰を受けるのも
あの人のはずだから
あたしをひとり
置き去った
あの人のはずだから
詩人:メイ | [投票][編集] |
あたしは薬を探している
ぽっかりと空いた
心の風穴に塗布出来る
塗り薬
あたしは薬を探している
触れたい会いたい
抱きしめられたい
この気持ちを抑える
鎮静剤
あたしは薬を探している
別れても離れても
未だ冷めぬこの想いへの
解熱剤
どこかにないだろうか
そうすればこんな
泣き疲れて眠る夜も
濡れた枕に目を覚ます朝も
不意に襲う寂しさも
押し潰されそうな悲しみも
やってはこない
そうすればきっと
忘れてしまった笑い方も
明日を待ちわびる今日も
幸せだという感覚も
生きているという実感も
すべて取り戻せるのに
どうかお医者さま
こんな私に
失恋の処方箋を
くださいませんか