詩人:mermaid | [投票][編集] |
薄暗い虚像の世界
そこに立つ一人の天使。
黒ではないものの
彼女の羽根は未だ灰色だ。
『さぁ、この世界を壊して 早く還ろう…私が最も輝ける彼の元へ…』
天使は自ら創ったこの世界の天井にひびを入れた。
射す真っ白な光は彼の光
この光と彼女の内から湧き出る光が
彼女が命を与えた人を照らした。
その彼は一瞬顔をしかめたが
新しい活気を覚えた。
天使は頭を抱えた。
殺すのは簡単だが
自ら与えた命、罪悪感が襲ってくる。
いかに静かに息を止めるか…
頭を抱える天使。
羽根は灰色のままである。
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