詩人:アイス | [投票][得票][編集] |
もう傷は癒えた
はずだったのに
なぜこんなにも
切ないのでしょう
あの交差点で
ちっぽけで狭い
あの交差点で
いつもは通らない
あの交差点で
信号の待ち時間
久々の地元の風景
思い出が蘇る
青信号を確認し
うつ向きながら
渡たり始めた
短く汚い横断歩道
温かな風の中に
懐かしいバイク音
その風と音は
うつ向きながら歩く
わたしの顔を持ち上げ
視線を奪った
その視線の先には
バイクを走らせる
あなたが居た
目が合い驚く
二人の表情
立ち止まることも
呼び止めることも
追い掛けることも
できなかった
ねぇあなたはあの時
何を想ったの?
わたしは嬉しかった
春の匂いが
甘く切なく
あの交差点で
逢ってからの
胸の鼓動で苦しいよ
あなたが通った道
何度も振り返った
聞かせてよ
あの時の気持ち
わたしは苦しくて
胸の鼓動が痛いけど
とても幸せだった