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巳年生まれの部屋


[53] 一人のザナドゥ
詩人:巳年生まれ [投票][編集]


アダムとイヴが
生んだこどもは
その後どうして
こどもを生んだのか

僕らは宇宙から
僕らは世界から
僕らは何処から
生まれたのだろうか


生まれた時から
周りには人間しかいない

僕らはそいつに
時折甘えてしまうだろう

その瞬間から僕らは
知的生命体として

生きていくしかない
哀しき二足歩行だ



愛を知るために
僕らが生まれたのなら

愛とはよっぽど
偉大なものなのだろう


偉大なものなのだろう……



僕は静かに 暮らしていたくって
一人に世界を閉じこめる

ザナドゥ 戸惑う 君らを尻目に
一人の世界に閉じこもる

僕は手にした 箱を開けたくって
一人で世界をつくりだす

ザナドゥ 躊躇う 君らを尻目に
一人の世界をつくりだす



何から逃げ切ればいい?
何に見つかりたくない?

僕は、僕が
怖いのさ



一人のために
二人が死んで
一人が生きて
長らえるのなら

二人のために
一人が死んで
二人が生きて
長らえたとしても

ザナドゥ 間違う 君らを尻目に
知恵の実を食べてしまうだろう


一人のザナドゥで
僕、一人きりのザナドゥで

知恵の実を食べてしまうだろう
貰った箱も開けてしまうだろう

しかし扉は閉めてしまうだろう……



何を知って生きるのか?
人を知って生きたいか?

それが、僕の
愛なのさ

2010/09/18 (Sat)

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