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右色の部屋  〜 投稿順表示 〜


[124] 個性の無い詩:物部(もののべ
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前置きが要らない

個性が要らない

自分自身との対話だからこそ

僕は僕以上に

君は君以上になることができる

2009/10/17 (Sat)

[125] 詩のあとがき:物部(もののべ
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なんだい?

その不満そうな顔は。

君は小説を読んだことが無いのかい?



「君と僕とは一つだ」

そんなセリフをね、書き手が言わずにはいられないのはね。

まさしく、比喩でもなく、そうだからだよ。


延々と繰り返される。

自問自答。

それこそが小説なのだから。




絢爛豪華に彩られた舞台で。

たくさんの個性を演じる。

伝えたいのか。

理解して欲しいのか。

それとも。

知られたくないのか。

それこそ、そんな意図や意味なんかを詰め込んで、ね。


それでも、実在するのは、アメ玉一つなのさ。

だから、好き嫌い言えるし。

言うものでもある。


だから、ホントは何万という文字で無意味なんだ。

だけど、何万人という人に読んで欲しいから。

そして、何千という人に理解して欲しいから。

小説ってアメ玉はあんな形をしている。



だから、どっちが先で、どっちが優れているなんて話ではなく。

自分にとっての無意味を省いて。

多くの人間にとって無意味で理解できなくとも。

「詩」もまた、一つのアメ玉なんだ。

2009/10/17 (Sat)

[126] 詩の後日談:物部(もののべ
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だからさ

アンデンティティって

アメ玉みたいな

可愛い名前をしているだろう

2009/10/17 (Sat)

[127] 世界詩人:ワルドスタット
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僕が『世界』って形容詞を使うのは

その言葉の中にたくさんの意味を込めたいから

自分の知ってることや思ったこと

誰かが言ったことや考えたこと

そういうことを全部

覚えていたいし

増やしていきたいから

僕は『世界』って言葉を使うんだ

2009/12/21 (Mon)

[128] 二冊の手帳:リアとジュール
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君にとって空白こそが充実であるように

僕にとって埋め尽すことが充実になるんだ

真っ白な君の手帳と
真っ黒な僕の手帳

インクの分だけ重たい僕の手帳は持っているのが大変で

軽すぎる君の手帳はなくしてしまう不安を抱えながら


僕と君は同じ日付の上に立っている。


どちらの手帳が幸せなのかはわからない。

けれど。

今この瞬間は笑おうじゃないか。

幸せかどうかなんて、後から手帳に書き足せばいいのだから。

2009/12/25 (Fri)

[129] そこかしこ:雨宿一泊
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その雨は安易に傘を突き抜ける

(まるでそれこそが正しい事であるかのように)

それでも心臓は底抜けのグラスで
降れども何も溜まることはなく

(曇天)

不意に目を思い出す
視線はいつだって望んだものを見つけてくる

(まるでそれだけが正しいかのように)

うずくまる

雨は降り続く

止むまで待とう

きっと明日には止むだろう

(もう見たくないから目を閉じる)

2010/04/15 (Thu)

[130] 美しい君へ:有賀 冬士郎
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美しい言葉が通り過ぎた

振り返らない

美しいまま
私の中に残っていて欲しいから






2010/04/26 (Mon)

[131] 青空の迷子:カスミノ
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11月の終わり
季節はずれの陽気

抜けるように蒼い空は
地上のありとあらゆるものを受け入れるかのように
どこまでも青々と果てなく広がっていた

だから僕は尋ねてみた
こんな日だから僕は尋ねてみたくなった

やああって
僕は僕の知らない何かを
中空へと放ち
応えを待った
ただ待った

雲一つ流れることもないまま
空は赤くなり黒くなった


何かに絶望したのか
それとも感動したのか
不意に泣きたくなった

僕が泣き出す寸前

「探したよ」

僕の知っている誰かが駆けつけていて

僕は
待っていたよ
なんて科白を口にした

どうやら
僕は嬉しいらしい

口元が緩んで仕方がない

2010/11/24 (Wed)

[132] 食べる人:桜井桂太郎
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ハンバーガーを食べたのは
主義や思想に関係なく
主に時間と経費の問題で


何も食べずに
ハードカバーの本を読み耽り
孤独を友とする姿は
なんとなく自虐的で言い訳じみているが
それが趣味だと言い張るだけの自己愛は持ち合わせていた

夕方
ペペロンチーノを食べ損ねたのは
イタリアの文化とか歴史は微塵も関係なくて
需要と供給という
まことに合理的な経済活動のせいで


得体の知れない料理を食べるはめになったのは
謝る言葉が出てくる前に
出て行ってしまった君のせいで
この空腹と倦怠感は全て君のせいで
そして
考えるまでもなく僕のせいだ

ごめんなさい
帰ってきて下さい
お腹が寂しいです

2010/12/28 (Tue)

[133] 底辺の聖者:ストーリィー
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いわゆる「問題」というものは
常々目の前にブラ下がる腐ったニンジンのようなものでいて
いざ取り除こうと手を伸ばせば
はるか遠く
腕は短い

ならばこそ
足を進める意味があるのだし
ならばこそ
意味のない歩みなどない

今すぐに解決すべきは
目の前の問題ではない

解決すべきは
足どりも重くし
目を曇らせる
親友のような弱き心だ

強くあれ

過去と未来
そして現在の自分のために

強くあれ

すでに出会った
そしてこれから出会う人のために

2011/01/12 (Wed)
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