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右色の部屋


[103] 半端オブチキン:藤原某
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ともあれ
スピーカーを切り裂き
入っていた
音楽を殺した

もう僕に音楽は必要ない

僕の中には既に僕の唄がある
僕の頭の中で
僕の為に
僕だけの唄が流れている

もう僕に音楽は必要ない

ギターのネックを折って
キーボードの鍵盤をバラバラにして

余剰な音楽を消してまわる

うるさい
うるさい
うるさい
うるさい

僕にとっての感動は僕なんだ
そうだ
僕は完成しているんだ







穴だらけのスピーカーから流れる
完全一致の僕の音楽

誰だ、僕の音楽を流すのは?

ああ、そうか

そういえば、そうだった

何が僕の音楽だ!
何が完成しているだ!

スピーカーから出てくる
古ぼけたCD
何とかっていうバンドの2ndシングル

笑えるじゃないか
嬉しいじゃないか

確かに僕は間違っていたけど
僕は僕以上に僕になれる音楽を知った
それでも
それはやっぱり僕でないから

僕は完成していなかったんだ

こんなに嬉しいことは
他に見つからない

2009/01/14 (Wed)

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