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ariaの部屋  〜 投稿順表示 〜


[21] 本職
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喉で突っ掛かる

当てもなく
描き散らす

片隅には
完全なイメージ

右手が止まる

煙ばかりが
暈む部屋

タメ息で
切り替わる錯覚

遠くで鳩が
飛んでった

右手が動く

殴り描く
答えは

未だ
輪郭が未完成

右手は動く

思い描いた
答えは

未だ
輪郭が不完全

それでも

あたしの答えは
生きていた



2007/01/19 (Fri)

[22] 寒い夜に
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君のため息一つ
ワンコインで
買っとくよ

だからもう
悲しい顔はおしまいね

この国の冬は
寒いから
空は透き通る

だからもう
白く濁すのおしまいね

月くらい
眺めなよ
スイッチで
消えない
そんな光
届かない
だからこそ
馳せる
想う
だからこそ
「また明日」が
必要になる

君のため息一つ
ワンコインで
買っとくよ

コーヒーでも飲んで
暖まりなよ

君のため息一つ
ワンコインで
買っとくよ

だからもう
悲しい顔はおしまいね



2007/02/12 (Mon)

[23] 決めたもん勝ち
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旅立ちなのか
流されたのか

それは
君の好きでいいよ

分かりやすく
マーキングしときなよ
正確に欠けるカレンダー
まだ年は明けぬまま



捨てなきゃ
辿り着けない
世の中よく出来てるね

両手で抱えて
零れたものは
大概きれいに見えるのさ

ヒト科
ナイモノネダリ属
羨んで上等
動ける力になるのなら

要は
夢なら追っとけ
そういう話



旅立ちなのか
流されたのか

それは
君の好きでいいよ

揃った口が
逃避だと断言しても

君が旅立つのなら

それは間違いなく
旅立ちなのさ



2007/02/13 (Tue)

[24] Happy Monday
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ハッピーマンデー

何がハッピーか

サービス業に
連休は敵さ



暗い部屋に
浮き彫りな長方形

人工色した君の髪が
日に透けてとても綺麗

ぶっきらぼうな君の口
裏腹に寂しい背中



ハッピーマンデー

何がハッピーか

次の月曜日は
君が何処かに出かけられるよう

幾ら姿を合わせても
君にこの街は似合わないから



ハッピーマンデー

何がハッピーか

次の月曜日は
この閉塞感から
逃げ出して
だだっ広い海を見に行こう

君の寂しい背中が
小さくても
何も不思議に見えない場所へ



ハッピーマンデー

凡そ
ハッピーとかけ離れた
あたしと君の月曜日


2007/02/13 (Tue)

[25] テンパリング
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上がり過ぎた体温を
ゆっくり下げる

適温は26℃

見えない結晶と
安定と不安定の境目

完全なる31℃

見えない結晶が
安定した光沢を見せる

口溶け良く
艶やかに仕上がるから

出来上がったら
早めに召し上がってね



28℃を越えたら
形無く溶けてしまう

君が苦手な
スイートチョコレート



2007/02/21 (Wed)

[26] コンクリートシティ
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コンクリートに
寝そべって
この街の温度に
気付いた夜明け

そうだ
こんなに冷たいのに
ぬくもりなんか求めちゃったよ

コンクリートに
蹲り
この街のキャパに
気付いた夜明け

そうだ
こんなに狭いのに
居場所と錯覚しちゃったよ

追い掛けた
夢は
複雑な地下鉄で
迷子になるのに夢中

捕まえたら
ちゃんと手を繋いでね
人口が
過密だから
手に入れたら
ちゃんと大事にしてね
環境問題
深刻だから



コンクリートを
踏み付けて
自分の涙に
気付いた夜明け

くっきりと残ったんだ
雨の跡みたいに

まだ泣けたんだ

哀しいなんて
まっさらな理由で



2007/02/22 (Thu)

[27] Heineken
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君とあたしの間に
Heineken一本

はしゃいで持ち出した
本日の戦利品さ



暗緑色の瓶を
コートの下に隠して
「寒い」と苦笑する君を
笑いながら走った



繁華街は
駆け抜ける分には綺麗よ

ピンヒールで出せるだけのスピードを

走馬灯くらいなら
振り返る過去も痛くない



何となく
大げさにおどけてみた夜

気付けば
ビールが苦手な二人

また響く
笑い声二つ分



この街は
始発のアラームで
起きだすから

それまでに
笑い過ぎた理由を教えてね



炭酸ガスは
とうに抜けてしまった

未だ
あたしと君の間には

飲みきれない
Heineken一本



2007/02/23 (Fri)

[28] 定期試験日和
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ため息つきながら
見上げた空に
綺麗な月が浮かぶから
うっかり滲んだ夜

何のために
誰のために
考えると
キリがないから
「好きだから」
答案用紙の空欄は
そんな言葉で埋め尽くしたのさ

三角くらいで
ちょうどいい
点数半分もらえるからね

アベレージで
不足はない
月並みに生きてけるからね

ため息つきながら
見上げた空に
綺麗な月が浮かぶから
うっかり滲んだ夜

『それじゃあ、何で泣いてんだ』

きっと
その言葉に泣いたのさ



2007/03/01 (Thu)

[29] 夜明け桜
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さくらがみたい。

ただ一言
そう言った

夜が明ける前に
次の約束を

巡る季節に
一筋の傷跡を



柔らかく
抱き締めて

暖かく
泣いてしまった

花は咲くから
散るのだろう

花は散るから
愛しいのだろう

巡る季節は
サディスティック

またこの気温に
匂いに馳せる

終わり無い
日々の連なり

幾ら散れども
また開花するのさ



さくらがみたい。

ただ一言
そう言った

それ以上の意味なんて
あってほしくなかった

朝陽が正気を連れ込むまでに
次の約束を



2007/03/14 (Wed)

[30] Plant
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根が這ったのさ
思いがけずどこまでも

値が張ったのさ
埋まるものなら幾らでも

芽を摘んでも
キリが無い

眼を瞑っても
仕方無い

葉を千切るのさ
生える端から殺すのさ

刃を磨いだのさ
映える光に惚れたのさ



花は枯れるもの
華は衰えるもの

ならば
尽きる迄待とうかね
ならば
月夜を纏うかね



実が朽ちたら行こうかね



根が這ったのさ
思いがけずどこまでも

音を上げたのさ
思い通りにいつまでも



実は朽ちるから
行こうかね




2007/03/21 (Wed)
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